平成11年の夏、小っちゃな暗い路地裏にあった仮店舗の時、
突然、来店してきたひとりの女性がいました。
若旦那の前に立っていたのは、宝石のような輝きを持っていた
まぶしいばかりの女性でした。それが、ミヤちゃんだったのです。
是非「博多そっくり人形」を作って欲しい・・・。
これが、ミヤちゃんとの最初の出逢いでした。
それから数年後、 待ちに待った「博多そっくり人形ミヤちゃん」完成。
お披露目した時、ミヤちゃんの目は輝いていました。
若旦那は、こんなミヤちゃんに、このコーナーを
どうしてもお願いしたくなりました。
最初は戸惑っていたようでしたが、快諾を頂き 若旦那はホッと、、、
そして、本日が いよいよ めでたく 第1回目の運びとなりました。
さぁ、ミヤちゃん劇場の始まりはじまり・・
このたび「博多そっくり人形制作日記」
を担当させていただくことになりました、
ミヤキと申します。
ご縁があって「博多そっくり人形」を作っていただきました。
簡単に申しますとこのコーナーは、
私の宝物となった
「博多そっくり人形ミヤキ」
の製作日記と自慢話です (^v^ゞ
愛と野望と涙と執念のノンフィクション
全十三話、
どうぞ最後までお付き合いください。
第一話
博多人形との出会いと首折れ事件
第二話
博多人形と供養祭へ
第三話
ナイスな思いつき
第四話
ハンキン事件
第五話
アネラの話
第六話
まだ順番ではありませんが…
第七話
粗彫
第八話
衣装をつくる
第九話
原型チェック
第十話
原型チェック(再)
第十一話
完成のおしらせ
第十二話
博多人形ミヤキちゃん
第十三話
二年後…
第一話:博多人形との出会いと首折れ事件
かれこれ一昔程前のこと。
引越しの荷物も大方整理がつき、さて、いよいよ博多人形を飾ろうとしたそのとき、
タンスの角でコツンと音がした。
その事態を正確に把握すべく、私のまぶたは自動的にぱちりぱちりと動いた。
あ、折れちゃった。 く・び・が。
私の手の中には胴体だけがおとなしく納まり、
頭は床にころがっている。
すぐくっつければスパッと切れたきり傷のようにくっつくかな・・・
頭を拾ってジグソーパズルの最後の1ピースを埋め込むように
頭と胴体の折れたラインを合わせてみる。
くっつかないよぉーーー!!!
あたりまえか、焼き物だもの。
こういう瞬間の人間の記憶はものすごくスローモーションだ。
ほんの10秒の出来事を3分にも5分にもして回想することができる。
うわーーーーん。 どうしよう、どうしよう、どうしよう、
ダーリンに怒られちゃう、いや、たぶん怒りはしないけど、
ダーリンに買ってもらった人形なのに、し、し、死んじゃった・・・
あ゛ーーーーどうしよう、どうしよう、どうしよう、ぐるぐる。
人形は結婚前に夫が買ってくれたものだった。
私に似ているから、と。
正直似ていると思ったことはないが、
博多人形に似ていると言われてご機嫌が悪くなる女性はいない。たぶん。
以来ずっと私の住処に一緒にいた人形だった。
アロンアルファでくっつけるか!? ・・・とも考えたが、
首の線のあまりの痛々しさに、人形の顔をみるのも辛い気分になってきた。
そのうち涙がでてきた。
私はその人形を引っ越してきたときと同じように幾重にもタオルにくるみ、また箱の中にしまった。
たぶんこのときからだろう、人形に対して“モノ”という以上の感情を持つようになったのは。
第二話:博多人形と供養祭へ
元来、私は捨て魔である。
整理・片付け上手ともいうし(自称)、払い下げ奉行ともいうし(妹談)、
飽きたらすぐ捨てる罰当たりともいう(夫談)。
その捨て魔の私が、タオルぐるぐる巻き人形を何年も捨てられずにいた。
人形の箱を見るたびに、いつか供養してあげるからと、心の端っこで決心していた。
人形供養は、毎年12月の第二土曜日、
博多駅に程近い『祥勝院』というお寺で行われている。
仕事で時間の都合がつかなかったり、うっかり忘れて年が明けてしまったり、
といういくつかの年末を経て1998年12月、ようやく人形と一緒に供養祭に行くことができた。
お寺は数百体の様々な人形とその持ち主でごった返していた。
様々な人形の内訳は、ぬいぐるみ、ガンダム、リカちゃん、フランス人形、めんそーれ人形
おひなさま、だっこちゃん人形・・・博多人形以外のもののほうが多いくらいだ。
境内には供養の焚き火(?)が整えられていて、
人形の中心には黒田武士人形がメディアの取材向けにすえられていた。
お布施を供えて、キョロキョロしながらお茶をいただき、
それでもまだ少し時間があるという案内だったので、
私は物知りそうなおじいちゃまを相手に情報収集をすることにした。
おじいちゃま曰く、この供養祭は<そもそも物故者(お亡くなりになった人形師さんたち)の供養がことの始まりで、
四百年前の博多人形師正木宗七の人形がこのあたりで発見されたことから、
人形の供養も合わせてこの祥勝院で執り行われるようになったそうである。
「ところでおじょうちゃんは何しにきたとね」
質問ばかりするので私のことを取材かなにかだと思ったらしい。
お人形を持ってきたんですよ、首を折っちゃって。
「どげん人形ね」
ガサガサ
「ああ、田中先生の人形やね」
はぁ、比呂志作って書いてありました。
「ちょうどほら、来とんしゃーけん、呼んであげまっしょ・・・」
作家の先生と話をさせていただけたのはとても光栄、しかし壊してしまった罪悪感が・・・(-_-;)
なにを話したかは覚えていないが、後でいただいたおじいちゃまの名刺には「博多人形商工業組合x#%?;+$・」と書いてあった。
どうりでね。詳しいはずだわよ。
時間になり、脱魂の読経のあと、人形に火がいれられた。
実際には灰になるまで燃やすわけではなく、しかるべき方法で処分されるらしい。
人形供養というのは持ち主の自己満足かもしれないが、気持ちの上で節目になる。
煙とともに人形の魂は静かに冬の高い空に吸い込まれていった。
第三話:ナイスな思いつき
福岡に住んでいても、わざわざ博多人形を人形店に見に行くということはあまりない。
あまりないというよりも、通りすがりに窓越しにみる程度、
という人が大半ではないかとさえ思う。
しかし、詳しくしらなくても、博多人形は福岡の誇りであると思っている人は多いだろうし、
伝統工芸品でお土産物だという認知もされている。
博多駅を通れば博多美人像(※1)、黒田武士像(※2)が、福博出会い橋を通れば三人舞妓像(※3)が立っている。
行きつけの小料理屋のカウンターの片隅にも、友達のなっちゃんち(※4)にも博多人形は飾られている。
あまり意識はされていないが、結構日常である。
供養祭にいく以前から、人形をみる機会があるごとに私は二代目の人形を探すともなく探していた。
しかし博多人形はどれも美女ばかりで、なかなか自分に似ている人形などない。
作ろう!! オーダーでつくっちゃおう!!
そう決心したのは人形供養の帰り道。
素晴らしい案を思いつき、私はメラメラしてきた。
うん、それが早いや♪私ってあったまいいぞー☆
しかしその後、案は素晴らしいのだが、さて、どうやって作ってもらえばよいのだろう?
という疑問にぶつかった。
そもそも、そんなものを作ってくれる人形師さんがいるのかさえ疑問に思えてきた。
人形師さんに直接打診してみる、という方法はあまりにも恐れ多く、その頃は思いつきもしなかった。
できたとしてもオーダーってべらぼうに高いかったりして。うーん。
高いといえば、車が買えるくらい高いのかも。うぅぅーん。
でもそんなにお金は出せないな。うぅぅぅーん。
!!! なら、新人の人形師さんの練習台になるってのはどうよ?
という自画自賛的ナイスな思いつきにたどりつき、
私は個人情報売買誌に広告を出すことにした。
『創作意欲に燃える博多人形師様へ
私をモデルにつかってください。モデル料はいりません。
そのかわり私に一体お人形をください』
--------創作意欲に燃える人形師さんからの連絡はなかった。
がっくり。
しかし思いもよらないところから手紙がきた。
福岡のとあるテレビ局からだった。
かくかくしかじかで、その企画ごとテレビにでませんか、というものだった。
テレビでやってくれるってことは、もしかしてタダ !?
しかもやりませんかっていうくらいだから、人形師さんも見つけてるってことね! やっほー
な話ではあったのだが、番組の趣旨に応えきれない部分があり、結局その話はお断りした。
「人形のごとう」のこと「そっくり人形」のことを紹介してくださったのはこのテレビ局の方。
こうして私はようやくオーダーメイド博多人形の入り口までたどりついた。
◇画像をご覧いただけます◇
※1 博多美人像
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/hakatabijin.html
※2 黒田武士像
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/kuroda.html
※3 三人舞妓像
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/maiko.html
※4 なっちゃんち
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/nachan.html
第四話:ハンキン事件
1999年夏、ようやくオーダーメイド博多人形の入り口にたどりついた私は「人形のごとう」を訪ねた。
閉まっていて張り紙があった。
『ちょっと外出してまーす。御用の方は電話してね。090-xxxx-xxxx』
とは書いてなかったと思うが、電話をしたらすぐ店主である後藤氏が戻ってきてくれた。
後藤ビル(※1)新築中で、近くの仮店舗で営業をしていた頃だ。
私は訪問のきっかけと目的を話し、たくさんの質問をした。
後藤氏は丁寧に答えてくれた。
「すみません。実はもう3〜4年待ちの状態なんですよ」
そんなのはぜんぜん平気です、待つ時間も楽しみにします。
「そっくり人形は30万円です」
よかった。買えない額じゃなくて。
「お申し込み時に半金をいただいておりまして」
なんですか? ハンキンって?
「御代の半額を前金として頂戴しておりまして」
あー、そういうシステムならそれはかまいませんが、契約書か何か?
「すみません。とくに御座いません」
は? ない? だってもしなにかあったらどうするんですか?
例えば、人形師さんがそのうち作りたくなくなるとか、後藤さんに万が一のことがあるとか、企画が突然打ち切りになっちゃうとか、私がもう人形いらないからお金返してとか言ったときどうするんですか?なんにもないって双方にとってリスクじゃないんですか?そのリスクを考えたら半金って小さくないですよ。少なくとも私には。
はっっ、しまった。 初対面なのに地が・・・( ̄□ ̄;)
そんなこんなも最後には後藤氏がうまく収めてくださり、晴れて正式に依頼をすることになった。
のちの後藤氏曰く、
僕がなんでこの小娘、いや、お嬢さんに怒られるんだ? ちょっとムカツク。
・・・あーでも確かに本当だなー、それってやっぱり作らなきゃきけないよなー
という感想だったそうだ。
そして現在、そっくり人形の申し込み時にはちゃんと「申し込み案内」が用意されている。
「人形のごとう」店主、後藤和範氏は、
博多人形を手にする人と博多人形師を結ぶコーディネーターである。
ともすればとっつきにくい感のある博多人形の世界を
サンダルで近所の散歩に行くような気軽さで水先案内をしてくれる。
◇画像をご覧いただけます◇
※1
http://www.hakataningyou.com/miseannai.htm
第五話:アネラの話
こんにちはー(^o^)/ お久しぶりでーす。ミヤキでーす。
後藤さんと奥様のお元気なお顔を見にきましたー♪
と言いながら、私は年に1ー2度「人形のごとう」を訪ねた。
後藤氏は絶えず朗らかで、人形にまつわる話をたくさんしてくださった。
気さくでありながら、折り目正しく、驕りのない人だ。
ときに言葉以上のものを伝えてくれる博多人形と、それに携わるご自身の仕事が大大大好き、という姿勢が契約書以上の安心感を与えてくれる。
ちょっとほめすぎた。
本当は偵察に行っていたのだ。
とある訪問日。
「ミヤキさん、面白い人形があるとー」
博多人形らしからぬポーズの人形が飾ってあった。
アネラ(※1)だった。
「博多人形って、手で触らないのが原則なんだけど、
この人形はね、手で触っても大丈夫」
え、さわっていいんですか?
本当に?
「もちろん(^_^)」
私は迷わずアネラをひっくりかえしてみた。
はぁーん。底面はこうなっているのか・・・ふぅん。
驚いたのは後藤氏のほうだった。
そんな確認を大胆にも人前でしたのは私が初めてだ、と。
ふつうは一人でこっそり確認するものらしい。
(アネラの底面が気になってきた方は、「人形のごとう」(※2)へ)
後藤さん、私の人形もヌードっていうのアリですかね?
「!!!(@o@)!!! も、もちろん駄目というわけじゃないけど・・・#gΘ可否U7QM0ψд」
女性の体って、たぶん私の年くらいがピークか、
すでに下り坂に入ったとこなんですよねー
私アネラに負けないんだけどなー
「でも・・・、うぅぅ・・・どこで作ろう・・・」
あのー、まだ決めたわけじゃないですから、その心配はまだ・・・
ひとつの選択肢としてそういうのもありなのかなーって思って。
「あっ、そうね (^_^ゞ 」
こうして長い待ち時間も色々なことを考えながら楽しく過ごせたのである。
◇画像をご覧いただけます◇
※1
http://www.hakataningyou.com/anera.htm
※2
http://www.hakataningyou.com/miseannai.htm
第六話:まだ順番ではありませんが・・・
制作を依頼してからちょうど三年たった頃、後藤氏から電話があった。
そっくり人形の注文は全国からくる。
ほとんどの場合、写真またはビデオを参考に人形をつくる。
そして最終段階で店舗へ来店してもらい、立ち会っていただく、という段取りになっている。
しかし、いかんせん二次元のものを三次元におこす作業である。
チェックの段階で、似ているようでどこか似てない、どこだかわからないけどなんとなく違う、
どこをどう手直ししてほしいとも指摘できない、ということが時々ある。
少しそういうのが続いて、人形師がスランプに陥っている、
お待ちいただいているお客様には申し訳ないが、このままではいい状態で制作が進行できないので、
リセットする意味で私の人形を先に作らせてもらえないか(近所だから)、という話だった。
もちろん異存などあろうはずがない。
3年は待ち時間であり、準備時間でもあった。
提出資料には実際人形になる写真、その他数点の参考写真、自己紹介作文、友人作イラスト、洋服生地を用意した。(※1)
もちろん一番重要な資料は私本人。
自分自身をいかにうまく伝えることができるかが課題であった。
私より先に順番があった注文者のみなさま、
既に完成しているとのことではありますが、割り込んでごめんなさいm(_ _)m
「僕と今井(人形師)はね、だだそっくりなだけでなく、
その人の背景や、思い入れも作りこみたいと思ってる。
きっといいお人形ができると思うよ」
制作開始はもうすぐそこ。
◇画像をご覧いただけます◇
(※1)
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/shiryo.html
第七話:粗彫
そっくり人形を作っているのは、博多人形師・今井洋之氏。
出身は埼玉県。
旅行中に博多人形に出会い、そのまま福岡に居ついてしまったそうだ。
初代西頭哲三郎氏に師事し、独立。
平成11年からそっくり人形を作り始め、今まで手がけたそっくり人形はおよそ50体。
人形の制作には3-4ヶ月を要する。
2002年8月下旬、まず粗彫り(あらぼり)という作業に立ち合う。(※1)
轆轤(ろくろ)の上に支柱が立っていて、その支柱に「Y」を逆さまにしたような細い針金を固定。
針金が腰から脚のラインとなり、それに粘土をつけていく。
粘土を足したりひいたりしながらおおよその形、角度がきまる。
まず人形の骨と肉のみを形作っていく、という感じ。
お!! バービー人形並みの美脚!!
実物とも写真とも違うけど、ラッキー!! 黙っていようっと☆
ところで、皆様はご存知だろうか。
福岡では7月1日から15日「博多祇園山笠」というとても勇壮な祭りがあるが、
この祭りで注目を集める「舁き山」(担いで回るためのおみこし)や
「飾り山」(各流れに据えられている見せるためのおみこし)の人形は博多人形師が制作する。
博多人形の質感や細やかさとはまったく違う、
荘厳で迫力のある山笠人形を見て回るのも楽しいかもしれない。
◇画像をご覧いただけます◇
※1
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku07.html
第八話:衣装をつくる
二回目の立ち会いは主に衣装を立体化していく作業。
写真と同じ服装・姿勢での数時間。
博多人形だからといっても着物ではない。
先生、完成時には5kg痩せてる予定ですから、肉はあんまりつけないでくださいね。
今井先生は笑いながら削っていると見せかけてどんどん肉をつける。
バービーの美脚はあっという間にゾウ足になった(T_T)
驚いたのは、見えない部分であっても、たとえば髪の毛の下にはちゃんと耳が、
足の指にも爪がついているということ。(※1)
丁寧な仕事だなー、根気のない私には絶対できないなー、プロフェッショナルだなー、
とひたすら感心するばかりである。
細部は先生が写真を見ながら、そして記憶を元に自宅アトリエで手を加えてくださる。(※2)
そっくり人形は人形師の個性が100%出せる企画ではない。
一番大切にされるのは注文者の視点だ。
技術や経験は100%を注げても、注文者の視点をないがしろにして作品はつくれない。
それが、人形師が人形師自身の感性でつくる博多人形と、このそっくり人形の大きな違いだろう。
◇画像をご覧いただけます◇
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http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku0801.html
※2
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku0802.html
第九話:原型チェック
通常だとこの「原型チェック」が最初で最後の本人確認となる。
店頭で細部をつめる大切な立ち会い。(※1)
先生、もう少し額は広めで・・・
先生、髪はパーマでくるくるふわにしてくださいね・・・
先生、この人形、Bカップくらいしかないので・・・
先生、肩から本物の布をカーディガン代わりにかけるために
背中と髪の間に隙間をあけるっていうのはどうですか?
着せ替え人形みたいにできたら面白いですよねー
先生、ピアスもつけてあげたいのですけど、・・・ダメですよねぇ?
先生、お人形の爪も長くしてあげてください・・・
先生、先生・・・
完成に近づくほどリクエストはエスカレートする。
一番の難所は髪。
空気を含んだウェーブ感が粘土ではだせない。(※2)
くるくるにすると大仏の羅髪のようになる。
「・・・・ (-_-;)」
「・・・・・・・ (б_б)」
「もう一回やらせてもらえませんか、次が最終ということで」
ここまできたからには妥協はしたくない。
そしてそれはきっと今井先生にとっても不完全燃焼になるに違いない。
と、勝手に推し量って、お言葉に甘えて再度お願いすることにした。
◇「画像をご覧いただけます◇
※1
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku0901.html
※2
http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku0902.html
第十話:原型チェック (再)
主に前回私が「うん」と言わなかった髪の毛の部分の作りこみ。
試行錯誤と話し合いの末、髪型は写真のイメージを残しつつ、
制作開始時のスタイル(ストレートにごく若干のウェーブ調)で作ることになった。
前に進むための双方納得案だ。
頭部は胴体から分断され、今井先生の手の中で最後の表情がつくりこまれる。
その「かしら」と呼ばれる頭部と胴体をつないで、髪の仕上げ。
そしてこの段階でOKをださせていただいた。
原型チェック完了(^v^)
え、5kg痩せている話ですか?
まぁそれは自己申告です、はい。
一ヶ月後の完成予定までに、中の粘土をくりぬき、服の地模様を彫りこみ、
焼き、彩色が施されて完成となる。
複製をつくらない一品作なので、型取りなどの工程はない。
あとは今井先生を信じてお任せするのみ。
どんな風に仕上がってくるのかわくわくドキドキ☆
第十一話:完成のおしらせ
制作が始まったのは2002年8月、
そして後藤氏から完成のお知らせメールがきたのが2003年4月末。
今井先生と私のスケジュールがうまく合わなくて7ヶ月かかった。
後藤さん、あのー、最後のお願いがあるんですけど。
もうすぐ「博多どんたく」でしょう、福岡に観光でたくさんの人が来ますよね。
引取りに伺うまで、隅っこでいいですから、店頭に飾ってていただけませんか?
もちろん無理にではないんですよ、差し支えなかったらで構わないんですが。
と、いつもどおり図々しい内容を謙虚にお願いしてみた。
後藤氏からはすぐに、もちろんかまいませんよ、との快諾のお返事がきた。
やった! これで私の制作日記の締めくくりもカンペキ!! \(^O^)/
GWの間、恐れ多くもメインウィンドウに飾っていただいたミヤキ人形は、どんな話題をつくったのだろう。
第十二話:博多人形ミヤキちゃん
確かに、通常では立ち会えない「制作の前半時期」から立ち合わせていただくなど、
私だけが特別だった部分はある。
しかし後藤氏の話によると、今井人形師は誰のどの人形に対してでも、
丁寧に気持ちを込めてつくる。
あまり目にすることのない民族衣装であれば、その実物を領事館に見に行き、
浜辺で遊ぶ少女の人形の足の埋もれ具合も、海に実地検分に行く、といった具合だという。
こんにちはー(^o^)/ ミヤキでーす。
お人形引取りにきましたー♪
完成したミヤキ人形と初めての対面。
うわーーーー!!!
誰がどう見ても私ですねー、紛れもなく。(※1) うれしー!!!
ちょっと照れくさいけど・・・
きゃー。 うれしいうれしいー☆
あ、ちゃんと爪も長くなってるし、マニキュアも塗ってある。
あれ、この両手の下の隙間は?
もしかして、カーディガンを持ったり外したり、着せ替えができるようにってことですよね。(※2)
スカートのなかってどうなってるのかな?
うーむ、アネラ的なセクシーが楽しめますねー
手をかけていただいたところ、
できないかもといわれながらも無茶なリクエストに応えていただいたところを随所に発見し、
感激と感謝でいっぱいになる。
オリジナルの博多人形をつくろうと思い立った本来の目的は、
夫が買ってくれた人形の二代目を探す、というものであった。
しかし、いつの間にやら夫のことはさておき、自分自身のために楽しんでしまっていた。
うーん、バレるとは思うが、一応夫にはあなたのために作ったの!
と報告をすることにしよう。
「ダーリン、二代目の博多人形を連れてきたよ。私にそっくりなの!」
◇画像をご覧いただけます◇
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http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku1201.html
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http://www.hakataningyou.com/magazine/seisakunikki/seisaku1202.html
今井先生と後藤氏、ご縁を結んでくださったかたテレビ局のかた、
一世一代の写真を撮ってくれたカメラマン、人形サイズにぴったりの小物をプレゼントしてくれた友人、
わたしのすることをのんきに見守ってくれた夫に、心から感謝を。
私に自由とわがままとオリジナリティを与えていただき、本当にありがとうございます。
また、このつたない制作日記をご愛読(?)いただいたみなさまにも、この場をお借りして御礼申し上げます。
第十三話:二年後・・・
ミヤキ人形は、自宅にいらっしゃるゲストにたいへんウケがよい。
まず往々にしてそのゲストを固まらせる。
たぶん内心、
ん? この人形・・・似てる(◎_◎;) ???・・・そんなわけないよね?
いや、しかし、この二の腕やら脚やらの肉の付き具合ったら、本人そのものっぽくない?
既成品にしてはありえないくらいリアルさ・・・
そして私は「これ・・ナニ?」 という第一声を受けることになる。
そう質問したら最後、ゲストは長々とミヤキ人形話を聞くハメになる。
幸せなゲストだ。
そんな中、今年3月20日、福岡は「福岡西方沖地震」にみまわれた。
震度6弱を記録したが、幸い人形は無事であった。
しかし。
4月20日、震度5強の余震で、人形がダメージを受けてしまった。
第12話に添付する写真を撮ろうと定位置から移動させたことが起因した。
左足切断、鼻複雑骨折。
ぎぇぇぇぇぇぇーーーーー!
と思ったが、涙はでなかった。
博多人形って、修復できるの。 と後藤氏から教えを受けていたからだ。
もちろん作家さんがご存命ではなかったり、
構造、スタイル上、その他理由で、できないものもあるらしい。
即日、後藤氏に謙虚なメールをだしてみた。
「重病人の入院お待ちしております。時間は多めにくださいね」
あーん、やっぱり後藤さんにお世話になってよかったー(嬉泣)
現在まだミヤキちゃん人形は入院中。
更に磨きがかかって退院してくるのを、また楽しみに待っているところである。